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「五月の庭」
年月を経て、お施主様の住まいに伺う時、家の中を見せて頂けることと共に、この季節、目に入ってくるのが、木・花・草の生き生きとした様子です。建物の完成時には少し寂しいくらいに思えた木々や草花の成長は、庭の熟成を促し、草木と木の家は馴染み始めていきます。
建物の基本設計の段階で庭の計画を立て、建物が完成に近づいた頃、改めて庭のプランを検討し工事に取り掛かります。地形をつくり、石を組み、敷石を敷き、土づくりそして最後に植栽へと。今回はいくつかの庭を紹介します。
「前庭」
前庭は玄関先のアプローチと一体となり、敷地の内と外を区切りながらも、街並みに風景をつくります。「花、きれいやなぁ。これ何やろなぁ。」と行き交う人が前庭を眺め楽しみます。
玄関前を彩る下草
ツワブキ・シラン
コウライシバ・フッキソウ 他
敷石と種々な植栽のアプローチ
アオダモ・ヒメシャリンバイ・
ミツバツツジ・ヒラドツツジ
ドウダンツツジ・ヤブコウジ・
ナルコユリ・セキショウ・コケ(3種)他
建物と一体感のある庭木
オリーブ・カツラ
アキシラリス・ローズマリー 他
自然な境界をつくる低い板塀と草木
ケヤキ・イロハモミジ・ナンテン・
ハウチワカエデ
ローズマリー・
ラベンダー・ヒューケラ・セダム 他
玄関へと続く緑が茂ったアプローチ
シマトネリコ・メグスリノキ
タイム 他
芝生の前庭
シマトネリコ・エゴノキ
ヤマボウシ・アオダモ・コウライシバ 他
「その土地にあるもの」
基礎工事で土を掘り起こすと、地面から大きな花崗岩がごろごろと出てきました。それらを石垣や土留め、石段や景石など庭や外構の材料として活用します。

基礎工事で出てきた花崗岩

土留と石垣

石段
建替工事の際に元々あった石垣を崩し、新たに前庭の石として利用、1年後、草花が芽吹きました。
竣工時

1年後
現場近くの山から採れた砂岩石を石垣として活用しました。
「小さい庭づくり」
アプローチのすき間や、駐車場の一角にも植物の場所をつくります。家の内に、一輪の花を挿すように、家の外の小さい場所にも緑を生かします。
アプローチ脇の小さな土手

マツバギク・セダム
ローズマリー・アガパンサス 他
コンクリートの一角を斫ってつくった庭

エゴノキ・ツワブキ
セキショウ・ベニシダ 他
敷石と下草

セダム各種
外壁際の小さな庭

ドウダンツツジ・シラン
キキョウ・ツワブキ 他
デッキに並べた鉢植栽
コハウチワカエデ・セイヨウニンジンボク
モミノキ・斑入りアマドコロ
斑入りススキ・クサソテツ・ローズマリー・カクレミノ 他
窓辺に飾った庭の草花

里山の風景のような石積と植栽

セージ・ハイノキ・カクレミノ
ツワブキ・クロモジ

カキドウシ
住まいを育てる、庭が育む、住まい手の想いや日々の手入れが五月の庭には息づいています。