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【第4回】熊野古道 湯浅

2024.2.5

「湯浅」は和歌山県有田郡の町、和歌山湾の入り江の奥に位置することから自然の良港として古来より物流の中心として栄えた町。
【第4回】熊野古道 湯浅

町内には熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)への参詣する人々が通った「熊野古道」が走り、平安時代から熊野参詣における宿場でもあった。
それと何と言っても、醤油発祥の地として有名で、750年前の鎌倉時代に法燈円明という僧が、南宋からこの地に持ち帰った嘗(なめ)味噌(現在でいう金山寺味噌)からにじみ出た汁が調味料になることがわかり、その汁を作ることを目的として、味噌が醸造されるようになったそうで、湯浅が醤油発祥の地と言われるゆえんである。
江戸時代には92軒の醤油屋があったそうで、現在は3軒だが、1841年創業の「角長(かどちょう)」は吉野杉の樽で仕込む昔ながらの醸造法をいまなお守り続ける老舗。
蔵や店先を歩いているとこうばしい醤油の香りが漂う。
2010年1月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

醤油船が休息したという船溜まりの大仙堀に並ぶ黒板壁の蔵。
2010年1月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

角長の店先に飾られた江戸時代から昭和にかけて荷物輸送に使われていた「大八車(だいはちぐるま)」と醤油樽。
2010年1月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

熊野古道に170年ほど前に立てられた道標。
2010年1月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

熊野古道の西側の一角が伝統的建造物郡保存地区に指定されており、「本瓦葺き」の屋根に白壁、格子を施した町家が連続して軒を並べる。
商いで栄えた豊かさからか、しっかりした造りの町家が多い。
2021年3月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

【第4回】熊野古道 湯浅

何軒かの町家の格子に木箱が取り付けられ、その中に昔の珍しいものが展示され、町全体がギャラリーになっている。
2010年1月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

湯浅の町を歩くと昭和の匂いが漂い、あきらかに時間の流れ方が違うようで、ほっとした感じがする。また人もまるく、おだやかだ。
2010年3月撮影【第4回】熊野古道 湯浅

2010年3月撮影【第4回】熊野古道 湯浅

2010年3月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

街道沿いの「本瓦葺き」の和風の建物を洋風のレンガで囲ったしゃれた構えの銭湯。
2010年3月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

鎌倉時代に伝来した金山寺味噌を売る、400年続いている老舗の「玉井醤本舗」。
この店では、樽にしこんだ金山寺味噌をはかり売りしてくれる。
店の老女は、老舗の品がうかがえる顔立ちも言葉遣いも上品な方であった。
2010年3月撮影

【第4回】熊野古道 湯浅

【第4回】熊野古道 湯浅

熊野古道をちょっと南に行くと「広川」が流れ、この時期河口付近でシロウオ漁が行われている。シロウオ漁は、春先に産卵のために遡上してきたシロウオを「四っ手網」という網ですくい上げる漁で、この地方の春をつげる風物詩である。
2021年3月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

「海ひこ」という店でシロウオのおどり食い。
網ですくってポン酢につけて食べる。
2021年3撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

そしてご飯は、釜茹でシラスと生シラスのミックスシラス丼。
シロウオとシラス似ているようだが、店の大将曰く、シロウオはハゼ科の魚で成魚、シラスはイワシの稚魚。
2021年3月撮影
【第4回】熊野古道 湯浅

いつの時代のものか「角長」のポスター。
2010年3月撮影。
【第4回】熊野古道 湯浅

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