家づくりの考え

アフターメンテナンス
定期点検のこと
ツキデ工務店は引渡し後、定期的にお家の点検をしています。
点検の時期は1カ月目、1年目、そして10年目です。
もちろん定期点検以外にも、必要に応じて不具合に対応させて頂きます。
定期点検では、住まい手さんだけでは点検・手入れの難しい部分についても不具合がないか、劣化や損傷がないかなどを点検します。
また、点検を通して住まい方の特徴が見えてきますので、住まい手さんの生活スタイルやその家に合ったメンテナンスの方法をご紹介させて頂きます。
年月が経った家でどのような暮らし方をされているかを実際に拝見させて頂くことは、ツキデ工務店にとって大変貴重な機会であり、とても勉強になることです。
アフターメンテナンス
通風・換気のこと
真夏でも木陰にいて風があれば心地よく過ごせます。
同じように夏の朝晩、家の中に居ても風が通ればエアコンがなくても過ごすことが出来ます。
建物を計画する際、心地よい風の流れを得るために、様々な建築的工夫をします。
例えばその土地の風の流れをよみ、各室に二か所以上の開口部をつくることや、吹抜け、階段室を利用し気圧差をつくることで、風の道をつくります。
また草木を植えることでさわやかな風を得ることができます。
アフターメンテナンス
隣家や建物周辺の環境を考慮し、風の通り道に窓を設置します
アフターメンテナンス
吹抜けを介して上下階で風が抜けるようにします
アフターメンテナンス
木々の間からさわやかな風が流れ込みます
アフターメンテナンス
庭を設けることで風の抜け道がうまれます
日射取得・日射遮蔽のこと
アフターメンテナンス
軒先にすだれをかける
アフターメンテナンス
軒先にタープをかける
冬は、太陽の恩恵を受けるために有効な窓を設け、陽だまりをつくります(日射取得)。
逆に夏は、その窓から差し込む太陽熱を遮る工夫が必要です(日射遮蔽)。
その一つが「軒」と「庇」です。軒を深くとり、窓に庇を設けることで日射を遮ることができ、そこに「すだれ」をかけることもできます。
これは日本の伝統的な工夫の一つです。
また、窓の外側にガラリ戸や格子戸を設ける、内部には障子やカーテン、断熱ブラインドを設けるなど、季節に応じて住まい手が日射をコントロールすることで、自然の力を活かし快適に過ごすことが出来ます。
建物の工夫だけでなく庭に落葉樹を植えることも有効です。
夏は茂った葉が太陽の熱を遮り、冬は葉を落として日差しが差し込みます。
季節の移り変わりを楽しみながら日射を調節してくれます。
断熱・気密・蓄熱のこと
断熱・気密を高めることで、冬の屋内からの熱の放出を少なくし、夏には屋外からの熱の流入を防ぎます。
このことにより快適性が向上し、エネルギーの消費を抑えることができます。
ツキデ工務店では「断熱・気密」の性能は、その地域の気候条件に見合った必要充分な性能で良いと考えています。
建築をトータルに考える中で性能を決めるべきではないでしょうか。
閉じる技術と開けるデザインのバランスが大切だと考えます。
断熱のこと
「断熱性能」は開口部の性能と床・壁・屋根に入る断熱材の性能と厚みに比例します。
断熱材は適切な方法で施工することで本来の性能を発揮します。
気密のこと
「気密性」を上げるには建物の隙間を出来るだけ少なくします。
そうすることによって外気の影響を受けにくくします。
平成28年省エネルギー基準
ツキデ工務店の標準としている断熱性能は、国が目標としている 「平成28年省エネルギー基準」を満たしています。
・UA値(外皮平均熱貫流率)

住宅の断熱性能を表します。 数値が小さいほど、性能が高いことを表しています。

・UA値≦0.87W/(m・K)
※地域区分:5地域の場合
・MAC値(冷房期の平均日射熱取得率)

夏季に住宅内に入る日射の割合を表します。 数値が小さいほど、住宅内に入る日射が少ないことを表します。

・nAC値≦3.0
※地域区分:5地域の場合
<M邸の場合>
・UA値=0.64W/(m・K)
※地域区分:5地域
・nAC値=2.8
※地域区分:5地域
蓄熱のこと
住宅の熱性能を計画する際、断熱・気密について検討されることは多いのですが、実は「蓄熱」も室内の快適性に大きく影響しています。
冬は昼間の日射熱を室内に蓄熱しておくと夜間に少しづつ放熱されるため、急速に室温は下がりません。
逆に夏は、蓄熱してしまうと夜になっても放熱が続き、室温が下がらないため、日射熱を室内に取り込まないことが重要です。
木や土、タイル、石は蓄熱性能が高い素材です。
ツキデ工務店の建物は、それらの素材をたくさん使っているため、蓄熱性能が高い建物といえます。
蓄熱を意識して、生活の工夫をすることで、室内の温度変化が小さくなり、快適に過ごすことができます。
アフターメンテナンス
蓄熱性能の高いタイルを床に貼り、冬は室内に取り込んだ太陽熱を貯めて暖かくする工夫
パッシブソーラーシステム「そよ風」のこと
屋根や床下に建築的な工夫をすることで、冬は屋根にそそぐ太陽の熱を「集熱」し、暖められた空気を小さなファンで床下に送ります。
この暖気は床を暖めると同時に、基礎コンクリートに「蓄熱」をし、吹き出し口から室内に出てきます。
このシステムは、建築家の奥村昭雄氏が考案した仕組みです。屋根にそそぐ太陽のめぐみを「建築的な工夫」でうまく利用できないか「おもしろいもったいない」という考え方から生み出された空気集熱式の「パッシブソーラーシステム」です。
ツキデ工務店は、奥村昭雄氏の考え方とこのシステムの面白さに感銘し、1992年から「パッシブソーラーシステム」に取り組んでいます。
これまでに住宅はもとより、保育園・通所介護施設などの施設建築にも取り入れてきました。現在は、「そよ風」という商品名の「パッシブソーラーシステム」を採用しています。
屋根に注ぐ太陽熱を集めて床暖房に利用する集熱パネル
そよ風のしくみ
冬の日中
アフターメンテナンス
温められた空気は、ファンによって屋内に取り込まれます。床下の基礎は、温められた空気によって蓄熱されます。
冬の夜
アフターメンテナンス
夜は床下の基礎からの放熱で室温を保ちます。
冬の夜
アフターメンテナンス
冬に暖房をつけた場合、暖かい空気は上へ上がっていきます。循環モードでは上部の暖気を吸い込み、再び床下へ送り、暖房効果を高ます。
夏の日中
アフターメンテナンス
屋根下の熱された空気は、ファンによって排気されます。
夏の日中
アフターメンテナンス
循環モードでは、上部へたまった熱気をファンによって床下へ送ります。基礎によって冷やされた床下の冷気を室内に吹き出し涼しくします。
夏の夜
アフターメンテナンス
放射冷却により屋根面は冷たくなります。屋根の下で冷やされた空気はファンによって屋内に取り込まれます。床下の基礎は、取り込まれた冷気によって蓄冷されます。