竣工:2019年10月
このマンションは京都東山のふもと、天台宗の寺院で皇室ゆかりのある「青蓮院」の門前に建ちます。
広々としたLDKからは、東山を借景に青蓮院の「四脚門」や境内の木々が望めます。
今回の改修は、主にキッチン・浴室・洗面などの水回りと内装・建具のやり替えが主な仕事です。


青蓮院の「四脚門」
これまでは家族が集うリビング・ダイニングに対して閉鎖的だったキッチンを、壁を取り払い開放的にすることにより、台所仕事をしながら家族の様子や窓からの眺めを楽しむことができます。



これまでは窓にはカーテンが吊るされていたのですが、今回引き込むことができる障子にしました。

以前の床はダークブラウン色のフローリングだったのですが、今回は明るいメープルのフローリングに、また壁・天井は、多孔質で調湿や脱臭効果がある火山灰を原料としたぬり壁仕上げです。
お茶や食事をしながら、広くて奥行きのあるバルコニー越しに見える東山の景色は格別です。



対面式のキッチンの背後には、十分な収納を確保しました。

キッチンの前のカウンターとその下に設けた収納は、とても便利と奥様も気に入っておられました。
収納の建具やその他のフラッシュ建具は、カリンの突板張りです。

以前、廊下とLDKの仕切りはドアだったのですが、今回アンティーク調のガラスをはめた引き込み戸にしました。

廊下にあるもう一枚のアンティーク調のガラス戸

広々とした作り付けの洗面カウンター

ゆったりした広さのトイレ
玄関周りの収納の建具も床と同様のダークブラウン色の建具でしたが、今回その建具を下地処理し、漆塗の和紙を張りました。




撮影の後、目の前の「青蓮院」を初めて拝観することに。
新型コロナウイルス影響か、受付終了時間が近いこともあるのか境内で見かけた人は数人。
観光客が以上に増えごった返している近頃の京都で、久しぶりに静寂の京都を見ることが出来ました。