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歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

2021年9月から10か月ほどをかけて大阪の守口で、築100年の農家型古民家の再生工事をさせて頂きました。
この建物は、屋根は和瓦葺き「入母屋造り」で2階部分が低い「ツシ2階」の民家です。 構造は在来工法での基礎や筋交いがなく、主要な柱が石の上にちょこんと乗り、壁は「小舞竹」下地に土壁塗りのいわゆる「石場建」の日本古来の伝統工法の建物です。
今回、この建物の構造的特性を生かし伝統工法で改修させていただきました。

歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」
歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

何せ土葺きの瓦屋根で土壁塗りのかなりの荷重のある伝統工法の建物ですので、永い歳月の中、一部の柱が沈下したり傾いていたりしていたのですが、「柱石」がこれ以上下がらないように足元をコンクリート基礎で固め、柱を揚げ、傾きを直し、新たに伝統工法で耐震補強も行いました。

歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

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歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

「長屋門」から庭の石畳を行くと母屋の「玄関」があります。 この玄関の横には、農家型古民家では珍しい町家風の「出格子」が付いています。

玄関を入ると広い「土間(ニワ)」があり、左側には6畳の「板間」、右側には「目板格子戸」で仕切られた6畳の広さの「板間」があります。昔ここは多分使用人の部屋であったと思われます。 そして正面上部の極太の「牛梁」は圧巻です。

歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」
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歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

「板間」から南側に飛び出した珍しい「出格子」がある1.5畳のスペースは、ご主人の説明によると家賃や地代を管理する「帳場」だったそうです。 いつの時代か玄関の軒下に増築されたと思われます。

この建物は永年の間、それぞれの時代の生活様式の変化により幾度か増改築が行われていました。
今回の改修では、不要な増築部を撤去し、建築当時からの間取りを形成する基本的構造を崩さず極力活かし、耐震補強を行い、家族5人(ご夫婦とお子様3人)がより快適に住まえるように計画しました。
建設当時の「土間(通りニワ)」「ダイドコ」「イマ」であった所を改修したLDK。

歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

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歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

キッチンに立ち、間仕切り建具を開放すると南の庭まで見渡せます。

当初「おくどさん」があったであろう「土間(カマバ)」には、洗面・トイレ・風呂場・脱衣を配置しました。

歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」
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歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」
居間から2階に通じる階段

LDKの上部は吹き抜けで、北側屋根に設けたトップライトから採光を得ることができます。 天井高さが低い「ツシ2階」なので断熱は屋根面で行い、小屋梁・母屋・垂木を「あらわし」にしました。

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将来、二つに仕切ることができる小さなお子さんのスペース

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1階の8畳の「奥座敷」は、壁の塗り替え、襖の貼り替え以外はほぼ現状のままです。

歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

天気のいい日は、日向ごっこに最適な縁側

歴史をつなぐ古民家再生「守口の家」

歴史をつなぐ今回の再生工事、それぞれの建物性能を高め、お施主様の思いを新たに吹き込むことにより生まれ変わったこの家、これから何代と引き繋がれて行くことでしょう。