竣工:2025年8月
延床面積:173.6㎡(52.6坪)
写真撮影:2026年5月
この建物は、京都市下京区の趣ある京町家が今も点在して残る一角に建ちます。
お施主様であるご主人のご実家で思い出の多いこの町家を今回はリノベーションさせて頂きました。
建物は40年前に、ご両親が大規模改修をされていて、今回の改修工事では表外観は以前のままとし、一部塗装を施したのみです。

玄関アプローチ。
ここも以前のままです。


玄関ホールの仕上げは、床は国産の栗フローリング張り、壁は漆喰塗、天井は既存の天井を再利用しています。
また、正面の「腰板付き目板格子戸」の古建具は、お父様が残しておかれたものを利用しました。
下駄箱も再利用です。


玄関ホールから家族が集うLDKへ。

その通路の左側、2帖半のウォークインクローゼットの建具にも、お父様が大切に残されていた、貴重な杉の一枚板の「框戸」を使いました。

ソファーが置かれた居間は、座敷とつながります。

一般的に町家は、内部が暗い場合が多いのですが、この町家のダイニングキッチンには、8帖の広さの大きな吹き抜けがあり、吹き抜けに設けられた南の窓からの採光を得ることができ、とても明るいです。

リビング・ダイニングの床は栗のフローリング張り、壁は漆喰塗、天井は吉野杉板張りです。


キッチンの床は、300角のタイル張りで床暖房を設けています。

ダイニングから座敷を通し、奥の庭が望めます。


座敷からのぞむ緑豊かな庭。

座敷は、床の間の「地袋」・「天袋」以外の襖紙を貼り替えていますが、それ以外は既存のままです。


座敷と庭の間には「内縁」があり、そこに籐(とう)の椅子が置かれ、庭を眺めながらくつろぐことができます。

内縁の軒は、以前、裏に主屋から突き出ていた水回り(浴室・洗面・トイレ)を減築したことにより新たに軒を増設しています。

この時期、庭の新緑がまぶしいほどでした。

庭の奥には、蔵があります。


座敷とつづきの6帖の和室。畳の上に籐が敷かれ、夏のしつらいです。

主屋に新たに設けた水回り。


2階への階段の段板は、新しくしましたが2階の部屋は以前のままです。
2階の欄干越しからの庭の眺め。


お父様は、東本願寺に出入りされていた仏画師さんでした。
玄関には、お父様が描かれた「截金(きりかね)」の屏風が飾られていました。
ご両親から引き継がれたこの京町家、大切にお住まいになっている様子が伺えました。

