竣工:2024年4月
奈良市の閑静な住宅地に建つ平屋をリノベーションさせていただきました。
この建物は、60年前に大手の不動産会社からご両親が購入され、住み継がれ住まい手の思い出が詰まった家です。
今回はあえて建て替えせず、一部を減築し全面的にリノベーションをすることで、使いやすい間取りにするとともに建物の各種性能を向上させました。
157坪の広い敷地に建つこの建物、庭には永い年月を経て木々が茂ります。


一部減築したことにより屋根の形状が一部変わり「寄棟」としましたが、既存の瓦を再利用しています。


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玄関ドアは桧の「柾板張り」です。

玄関に入ると土間の右側にベンチがあり、それに続く下駄箱の建具は、顔料で染めた和紙張りで、左側には玄関収納があります。

ゆったりした広さのLDK。
南側の庭に面する開口部には、木製建具を用いました。
壁・天井は「漆喰」仕上げ、床は栗のフローリング張りです。

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そしてその開口部には、引込み障子が仕込まれています。

ダイニング・キッチン。

ダイニング・キッチンからの庭の眺め。

キッチンと背面の収納家具は、造り付けです。



リビングに隣接して四畳半の和室があります。

和室とリビングは、3枚の引き込み戸で必要に応じ仕切ることが出来ます。
和室の開口部にも木製建具を用いました。

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そしてその開口部には、引き込むことが出来る「雪見障子」が仕込まれています。

壁・天井は和紙張り、畳は縁無し畳、仏間と出入口の襖は「京唐紙」張りです。
また仏間の下段の格子内にはエアコンが仕込まれています。


トイレは、車いすでの利用が可能なように広くしました。

水回りもゆったりしています。


庭に面する浴室からの眺め。

思い出が詰まったこの家が56年ぶりに改修され新たに生まれ変わりました。
