竣工:2016年1月
この建物は、サンフランシスコ在住のご夫婦の「終の棲家」として、築31年のハウスメーカーの軽量鉄骨2階建ての中古住宅をリノベーションしたものです。
土地探しから一任され、日本とアメリカとの距離という壁をお互いの信頼と熱い思いのもと図面とメールで打合せて計画を進めました。
構造体の軽量鉄骨のフレームは現状のまま利用しながら、耐力壁を増やし耐震補強しました。
また床・壁・天井に高性能の断熱材を充填し、開口部も全てペアガラスに入れ替えることによりペレットストーブ一台で全館暖房が可能です。
内装には吉野桧・杉をふんだんに使い、壁は珪藻土、建具には和紙と、日本の風土にあった伝統的な素材である「木・土・紙」で仕上げました。
1階の以前は区切られていた居間食堂と和室をひとつのフロアーにし、広々とした居間としました。
改修前の居間食堂
床・壁・天井に高性能の断熱材を充填し、開口部も全てペアガラスに入れ替えることによりペレットストーブ一台で全館暖房が可能です。 そしてそのくつろぎの場には、ケヤキのテーブルの掘りごたつがあります。
居間の奥に設けた書斎と趣味の作業カウンター。 対面式キッチンの居間側の収納の戸には、赤杉の板柾を用い、上品な仕上がりとなりました。
玄関横に設けた床の間がある和室
和室の床の間には、ツキデ工務店が取り置きしていた「黒柿」の床框と「角竹」を「落し掛け」に使用させていただきました。
充分な収納スペースを確保した作り付けの洗面カウンター
たっぷりな収納と杉板の暖かみが感じられるトイレ
2階には以前は3室あったのですが2室にし、その一つは広めの寝室にしました。 畳ベッドがお好みで、桧の板で造りました。
2階のもう一部屋は、親せきやアメリカから訪れる友人のためのゲストルームです。
2階に設けた2畳のゆったり広さの洗面トイレ
階段室の本棚兼用の手すり
この建物は、きっと居心地良く、癒されるお二人のための「終の棲家」となることでしょう。