【第9話】上がったり 下がったり
トントントンと駆け上がりたくなるところ、慌てずゆっくり下りてほしいところ、風を通し太陽の光を取り入れるところ、下の人が上の人に呼びかけるところ、それに答えるところ、本を読むところ、今日の景色を眺めるところ…それは、階段。今回は木の家の階段を紹介します。
枚方の家

ストリップ折り返し階段
材質:ジュピーノ
手摺:桧
南端の家

かね折れ階段収納
材質:松
手摺:杉
深草の家 設計:t+a

片持ち出し階段
材質:ナラ集成材
手摺:スチール
室町の家
設計:河合建築デザイン事務所
設計:河合建築デザイン事務所

らせん階段
材質:栗・鉄
手摺:鉄
一坪の空間に
例えば階段をリビングやダイニングに設け、全館暖房にすることで家中どこにいても温度差の少ない家をつくります。そうすることで、踊り場に読書スペースをつくったり、階段室に小さな書斎をつくったりと一坪の空間の用途は広がります。階段は構造体としてのみならず、この家のかかせない場所となります。
踊り場に小さな本棚

手摺兼用の本棚 座って本を読むには丁度いい段差

一人サイズの書斎スペースとして


階段ホールに座卓タイプの読書コーナー

吹抜けにキャットウォーク

階段下収納のたのしい使い方 設計:ikken設計室

階段下の小さな書斎コーナー

階段の吹き抜けから光と風を取り込む

階段からの採光

階段の算段
大工仕事の中で無垢材を使った化粧階段は、仕様によって架け方は異なりますが、木工事の中でも見せ場となる難しい仕事だと大工はいいます。材質の特性を図り、それにともなう緻密な計算に墨付けと刻み、形状によってはベニヤ板で同寸の試作をつくり架け方を確認することもあります。仕事を始める前の仕事、十分な準備が安全で上がり下がりし易いよい階段を造ります。