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忍阪の古民家再生

この建物は、奈良桜井市忍阪(おっさか)という所に建つ築64年の伝統工法の古民家で、玄関・「通りにわ」から西側の間取りが、「田の字型」四間取りの大和地方の典型的な農家建築です。
これらの建物の特徴は、日当たりのいい南側の家で一番いい場所に主に客人用の「座敷」と「次の間」があり、家人は北側の暗くて寒い場所に「寝間」と「居間・台所」がある造りです。また風呂や便所も外にあるのも特徴の一つです。
今回の改修の目的は、座敷や次の間の位置はそのままで、家人が集う居間や食堂を日当たりのいい東側・南側に配し、洗面・風呂・便所も母屋内に設け、断熱性能を高め、快適で使いやすい間取りにすることです。
また筋違などを使わない伝統工法で耐震性能の向上も目的の一つです。

忍阪の古民家再生
忍阪の古民家再生
建築当初「おくどさん」があった土間は、天井高をとるために「煙返し」の梁を上げて新たに床を張り、天井は一部吹き抜けにし、東側に新たに大開口と庭、ウッドデッキを設けました。
京都府木津川市「月見台のある家」

忍阪の古民家再生

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玄関から座敷へとつながる「次の間」

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このような建物の座敷にエアコンを設置する場合、内機を目立たなくつけるのが難しいのですが、今回は「脇床」の天袋・違い棚をとりそこに仏壇を置き、その横に地袋を設け格子の中に床置き式のエアコンを設置しました。

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座敷と次の間の南側にある縁側。既存の建具はそのまま利用、断熱を施し床の板張りを畳敷きに変えました。

忍阪の古民家再生

座敷に隣接する「ねま=寝室」。畳だった床を板張りにし、既存の襖を利用して収納家具を新設し、もと押入れだった位置に「つし2階」への階段をつけ、その下にご主人の書斎コーナーを設けました。また耐震性能を高めるために新たに地松の「差し鴨居」入れました。

忍阪の古民家再生

「ねま」の北側の「離れ」につながる廊下兼縁側。裏の斜面の緑がきれいです。

忍阪の古民家再生

以前、日があたらない北側の居間だったところに洗面・風呂・トイレを設けました。

忍阪の古民家再生
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居間の東側の新しい庭は、以前風呂場があった棟を減築し造ったものです。