竣工:2017年10月
「看月亭」は、南禅寺の境外塔頭である光雲寺の境内に建つ数寄屋造りの庵です。
この庵は、七代目小川治兵衛の作庭による東山を借景にした池泉回遊式庭園の中にたたずみます。
築年数は不詳なのですが、4か月程かけ伝統工法で改修させていただきました。
そしてこの度、京都らしいこだわりの宿を多数展開されている「(株)葵ホテル&リゾート」さんが、運営される新たな滞在型の宿「看月亭」として生まれ変わりました。
今回の改修の方針として、すべてを新しくするのではなく、現状建物のたたずまい、永い時間が経たなければ生まれない建物の風合いをできるだけ活かしながら、快適な「宿」としての機能を満たすこと、そして何よりも庭との一体感を損ねないように心がけました。
泊まり客が集いくつろぐ八畳の書院造りの座敷からの眺め
床脇に「地袋」があったのですが、そこにエアコンを仕込み前に格子を入れました。 また畳の下には床暖房が設置されています。
座敷と茶室の前にある庭へとつながる敷き瓦風の土間
北山杉の「海布丸太」、「木舞」、「女竹」で組み、「くろべ」の天井板を張った土間の天井と軒
入り口が赤杉の「縦舞良戸」のトイレ
トイレの外に設けた手洗いは、オーナーさん支給で清水焼きの清水六兵衛作陶の高価な器を使わさせていただきました。 壁には、水はねで塗り壁が傷まないように漆を塗った「美濃和紙」を貼っています。
オーナーさんは、骨とう品や陶器などがお好きで多くの逸品を収集され所有されています。そしてこの部屋にも収集品の中から惜しげもなく李朝の家具が飾られています。
「看月亭」6名様まで宿泊可能です。京都にお越しのおりは是非一度お泊りになってください。ご満足いただけることと思います。
葵 哲学の道「看月亭」
南禅寺と銀閣寺を結ぶ 哲学の道。 春は桜並木、秋に紅葉を楽しむ京都屈指の散策道からほど近い場所に佇む美しくフルリノベートされた邸宅.京都人の憧れの場所、東山の静寂に包まれた自分だけの空間で、朝霧の中かつての文人が愛した小径をひとり占め。 3ベッドルーム(各室バスルーム付き)とシステムキッチン、 桜と紅葉の庭をもつ非日常空間で、京都をお楽しみください。
ホームページ:葵 KYOTO STAY 予約:075-354-7770