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(仮称)三室戸こども園茶室

宇治橋の東づめに建つ元米屋さんの店舗内に、六畳広間と四畳半小間の茶室がこの度完成しました。
この茶室は、社会福祉法人「宇治福祉園」様から依頼された工事です。
宇治福祉園の「みんなのき三室戸こども園」では、和紙作り・稲作り・草木染・お茶会など子供たちに「本物」の体験を通じて豊かな感性と本物の魅力を体験するといった教育をされています。
今回の茶室も、本格的な茶室で子供や父兄が気兼ねなくお茶を楽しめるように、また茶の町の宇治で多くの人達もお茶を楽しめるように企画されたものです。
今回の工事は、ツキデ工務店のベテラン大工が中心に、伝統的な技で職人達と仕上げた仕事です。

(仮称)三室戸こども園茶室
(仮称)三室戸こども園茶室
宇治川に架かる宇治橋。
茶室はこの橋を渡ったところにあります。
(仮称)三室戸こども園茶室
工事前の元米屋さんの現場発泡の断熱材で包まれた冷蔵庫。
この中に茶室をつくりました。
(仮称)三室戸こども園茶室
六畳広間の茶室。
床の間は、前に袖壁をつけた「ふくろ床」。
床柱は皮付きの赤松、地板と床脇の前板や地袋の天板は、松の赤身の「肥松(こえまつ)」、袖壁の方立は「スス竹」、これらは古材を再利用しています。
(仮称)三室戸こども園茶室
袖壁の「下地窓」は、在庫があった「女竹(めだけ)」を使い大工が藤つるで編んでくれました。
床の地板の「蹴込み」には「ゴマ竹」を用いています。
(仮称)三室戸こども園茶室
六畳間の続きの2尺ほど(約600mm)の部分は桧の板張りとし、その上に垂れ壁を設け格子を付けその中にエアコンを仕込みました。
垂れ壁の壁止まりは桧の「さび丸太」、天井は「柿渋紙」を「袋張り」し、廻り縁にはここでも「女竹(めだけ)」を使用しています。
また壁の真ん中に「ゴマ竹」を立てました。
(仮称)三室戸こども園茶室
この面の壁には実は窓がないのですが窓に見せかけ障子を入れました。
障子の戸当たりには「スス竹」を用いています。
(仮称)三室戸こども園茶室
四畳半小間の茶室
床柱は「北山杉」の丸太、床框はカシュウ塗で「畳床」としました。
(仮称)三室戸こども園茶室
「茶道口」は幅2尺1寸(636mm)、高さは5尺2寸(1575mm)。
その他の建具は5尺8寸(1760mm)です。
(仮称)三室戸こども園茶室
赤杉を使った腰付障子の「竪桟(たてざん)」の「見つけ」は7分(21mm)、「見込み」は9分(30mm)、「組子」の「見つけ」は2分(6mm)と繊細な「京建具」です。
障子紙は手漉きの「美濃和紙」を使用しています。
(仮称)三室戸こども園茶室
襖は、京都の綾部の黒谷で漉かれた地元の「黒谷和紙」で仕上げました。
「地袋」の襖は「京唐紙」です。

4畳半の茶室の隣接する踏込に「柿渋紙」を貼った襖を吊った「水屋」を設けました。
ただ給排水設備がとれず茶道具入れとして使っていただけるかも。

(仮称)三室戸こども園茶室
(仮称)三室戸こども園茶室
杉の「面皮柱」と「床柱」は京都の北山杉、造作で使った「赤杉」は吉野杉。
良材を産する京都北山や奈良吉野の山は、建築を志す者にとって宝であり、その山が近くにあることはありがたいことです。
(仮称)三室戸こども園茶室
この茶室がどのように活用されていくのかこれから楽しみです。